値段設定について
飲食店を開業する人には色々な人がいると思うが、基本的にはお客さんに美味しい料理を食べてもらいたいと思って開業しているに違いない。
そのために修行したりセミナーや専門学校に行ったりという努力をしていることだろう。
それに比べると私は料理に関して素人である。
そんな人間なので食材だったり提供する料理には特別こだわりがない。
私が重要視するのは①マズくないこと②気軽に食べに来れる値段設定③無理のないコスト④廃棄ロスを最小限にする⑤オペレーションのシステム化が可能である⑥競合他社との差別化などである。
ただこれはこれでけっこう難しく、ここ数週間ずっと数字とにらめっこしている。
ホットサンドを主力商品にすることは決めたのだが、問題は中身だ。
ホットサンドならハムとチーズを挟んで焼くだけでかなり美味しいものができる。
ただ、それでお金を取るとなると難しい。
そこで、それに色々な食材を足していって、お金を払うだけの価値があると思ってもらわなければならない。
しかし何でも足していいわけじゃない。
足したことによってマズくなったら本末転倒だし、コストがかかり過ぎて値段が高くなりすぎても意味がない。
自分の中ではワンコイン500円をボーダーとして、3つくらいの価格帯に分けようと考えている。
理由として、他の近隣飲食店では500円以上の商品がほとんどであり、そことの差別化を図るというのが一つ。自分なら外食で気軽に使える値段、特にホットサンドというイメージで使える値段は500円だな、というのが一つ。500円以内であればドリンクと合わせても1000円を超えることはないだろうというのが一つ。
しかし一方でこのような低価格で最低限の味を実現するには、大手チェーン店並みに大量仕入れをして単価を下げるか、自社の利益率を減らすか、人脈を使って安く仕入れるか、といったところだろう。
特にこの田舎では運送料などもかかるし、大量仕入れも個人経営だと厳しいものがある。
また料理に対しお客さんが何に価値を見出すか?ということも考えた。
①味②ボリューム③見た目④情報
おそらくこれだと思う。
これらのうち味は自信がないので、とりあえずマイナスにならないように頑張る。
ボリュームは野菜等比較的単価の低いものを使うことで価格を抑えながら出すことが可能。ただホットサンドという料理は圧縮するので出せるボリュームには限界がある。
見た目もホットサンドということで、そこまで華やかにはできない。付け合せを工夫することでカバーできれば。
あとは情報。特に近年はこの要素が価値の半分以上を占めるといっても過言ではない(と思う)。
例えば野菜なら「無農薬」だったり「有機栽培」といった情報。ラーメンならスープを作るのに何時間仕込みをするとかどこから仕入れた食材だとか。極端な話、芸能人がテレビでおいしいと言っていればおいしいと思いこんだり、口コミサイトで評価が高ければそこのメニューの味こそがおいしいという基準になる。
もちろんこれらはそれぞれが作用しあっているので、おいしくないものが情報だけでおいしくはならないし、ラーメン二郎みたいにボリュームが見た目のインパクトにつながっていることもある。
その辺と価格とのバランスを調整するのが難しいし悩むところである。
ここまではホットサンドの話だが、ドリンクも似たような考え方をしている。
ただドリンクについてはちょっとこだわりたい部分もあるので、大衆向けの商品とほぼ私の自己満足な商品とにわけて考えたりしている。