日常と非日常
日本式の考え方でいくとハレとケということになるだろうか。
昨日役所の担当者とお話をしてふと考えたこと。
カフェは日常だろうか?非日常だろうか?
カフェを取り上げている雑誌や本を読んでみると、どちらかというと日常に溶け込むような店が多いように見受けられる。
パンを買ったりコンビニに行ったりといったような気持ちで気軽によることのできるカフェである。
窓が大きく光を多く取り込んでくれ、内装も白を基調としていたり木製のものを多く使ったぬくもりのある店舗。
コミュニティカフェをやるとなるとやはりこのような店舗がいいのかもしれないと思いつつ、しかしどこか違和感を持って見ていた。
そして地元の飲食店もこのような店舗ばかりである。
役所の担当者からはそれら飲食店と比較した時に、果たしてその店舗が魅力的なのか?という点で心配された。
そこで色々話を詰めていった結果、もっと趣味を全開にした店にすべきではないか?というところに行きついた。
私は比較的多趣味な方なのだが、はっきり言ってしまえばオタクに分類されてしまうような趣味が多い。
その中の一つにアイドルがあるのだが、アイドルと言ってもももクロからAKB48、ハロプロといったメジャーなアイドルから、いわゆる地下アイドルと呼ばれるインディーズなライブアイドル、そして日本全国のご当地アイドルから南沙織やおニャン子クラブといった懐かしのアイドルまで、およそアイドルはみんな好きである。
そこで懐かしのアイドルを中心としたコンテンツをちりばめた昭和レトロな店舗にしたら、現在地域人口の多数を占める年代の人やメインターゲットとして考えていた個人旅行者における現状の多数派の年代にとって魅力的な店舗となるのではないか?という話で盛り上がった。
また多趣味なのであれば日毎にテーマを変えて店舗のBGMを選択したりするといいのでは?ということも話した。
この平成の時代に昭和レトロな店となると、それは明らかに非日常的である。
どちらかといういとコンセプトカフェに近い形態になるだろう。
雑誌などで取り上げられるカフェが日常だとしたら、コンセプトカフェは非日常になるだろう。
ここで私がメインターゲットとして考えていた旅行者の立場に立ってみる。
旅行と言うのは非日常を楽しむ娯楽である。
旅行者は普段の生活圏を離れることにより、そのほとんどが非日常になる。
しかし旅行者にとっての非日常は地元の人にとっての日常である可能性も大いにある。
農家民泊などの体験型と言われる観光形態はまさしくこれで、地元の人にとっての日常が都市部の人にとっては非日常であることを活かしたビジネスであると言える。
そしてもう一つは地元の人にとっても非日常であるパターンである。
例えば浦安市民にとってディズニーランドは日常かと言われると決してそんなことはない。
岸和田にはいつ行ってもだんじり祭りをやっているわけもない。
同じように都市部の人が普通にカフェを利用するようにメイドカフェに行くかというとそんなことはない(もちろん、日常的に訪れる人もいるだろうが)。
コンセプトカフェは誰にとっても非日常なのである。
そしてここに田舎の事情を考えると、はっきりいって田舎ではどんなに明るい雰囲気にしたとしても、カフェは非日常ではないか?と思う。
日常的にコーヒー1杯に400円を出すような人が田舎にどれだけいるだろうか?
コンセプトカフェにしようと普通のカフェにしようと、地元の人にとっても旅行者にとっても、非日常なのである。
どうせ非日常なのであれば、そこに娯楽的要素を取り入れた方が魅力的である。
ということでコンセプトの見直しを図っているしだいである。